変形性膝関節症と運動

変形性膝関節症

多くの方が悩まれている「変形性膝関節症」は名前の通り膝の関節が変形することで起こります。多くがO脚の状態となり膝の内側か外側の関節裂隙と言われる隙間に痛みを訴える事が多いです。合わせて関節内で炎症が起こり水が溜まる状態になります。

病院へ行くと注射で水を抜いてくれたり、ヒアルロン酸を注射してくれたりと処置をしてくれます。しかし、このままだと、何度も膝に水が溜まり注射をして抜くを繰り返すだけの状態となります。そこで、少しでも状態を改善させるのが運動です。

運動と言われると手軽に行える「ウォーキング」をイメージしますが、そうではなく当院では「膝の関節周りのストレッチとトレーニングをした方が良いですよ」っとお伝えしています。ストレッチとトレーニングといってもとても簡単です。

膝はもともと曲げる事が出来て伸ばすことが出来ます。しかし、膝に痛みのある方は動かすと痛いので、曲げ伸ばしの量が少なく関節が硬い方が多いです。ですのでその機能を戻すために膝のストレッチをするのが良いです。
伸ばす筋肉は太ももの前(大腿四頭筋)と後(ハムストリングス)を伸ばしましょう。

太ももの前の伸ばし方。転倒のリスクを避ける為に横向きに寝ます。右手なら右足首(左手なら左足首)をつかんでかかとがお尻に近づくように太もも前を伸ばします。無理な方はタオルを足首に引っ掛けて同じように引っ張ります。
この時、大切なのは太ももが伸びることです、引っ張ることを意識しすぎないようにしましょう。

太もも裏の伸ばし方。足を伸ばして座ります。両手を片方の膝の上に乗せてゆっくり前に倒れていきます。この時、膝が上に上がらないよう手で押さえます。太ももうらが伸びるのを意識します。床で出来ない方は椅子に座って行っても良いです。転倒に気をつけましょう。

伸ばす時はどこを伸ばしたいの意識するのが大事です。曲げることや体を倒すことを意識するのではなくどこを伸ばしたいのか感じながら行いましょう。
痛いのを我慢してまではしないでください。

「伸びてるな~」「気持ちいいな~」ぐらいのまでにしましょう。膝のトレーニングも太ももを動かしていきます。

太ももの前は膝を伸ばす筋肉です。椅子に両膝をこぶし一個分開けて座ります。片足ずつ膝を伸ばしていきます。この時、上げている足の太ももを触ってください。しっかり力が入っていると硬く動いているのがわかります。足を下ろしたら、続けて同じ足を上げます。10回行ったら、反対の足で行います。

後ろは膝を曲げる筋肉です。上向きに寝転がり膝を立てます。片足をかかとが床から離れないよう膝を立てていきます、そのままできるとこまでかかとをお尻に近づけます。足を伸ばしてもう一度行います。10回行ったら、反対の足で行います。触れるのであれば太もも裏を触って動いているのを感じ取りましょう。

最初は10回なれてきたら20回と回数を増やしていきましょう。

ストレッチもトレーニングもしたからすぐに痛みが軽減されるわけではありません。仮に痛みが軽減しても止めてしまうとまた痛くなります。まずは、1ヶ月続けましょう。痛みが軽くなったや歩きやすくなったなど変化を感じたら、更に1ヶ月続けていきましょう。変化を感じないや痛みが強くなったなどあれば、医療機関を受診してあなたに合った方法を探しましょう。

運動はその日の調子を考えて続けていきましょう。痛みが強いときは医療機関を受診しましょう。

しっかり体を鍛えていつまでも元気に歩ける足にしていきましょう。